
100%医療事務が好きで入社してきた人なんて居ないでしょう。
でも、何らかの「やりがい」がなければ、仕事なんて続けていてもたのしくありませんよね。
医療事務として働いている人は、どんなことをやりがいに仕事をしているのでしょうか?
自分の仕事に対するやりがいがわからないという方はどうすればいいのでしょうか、考えてみました。
そもそも、やりがいが無いのではなく「仕事」というものがわかっていない
当院の医療事務に「仕事のやりがいって何?」と聞くと、まず返ってくる答えが「わかりません」です。
悲しい答えですが、これが現実です。
「じゃあなぜこの仕事を続けているの?」と聞くと、
「家が近いから」「ボーナスがもらえるから」「人間関係が良いから」いろんな理由を答えてくれます。
この場所で働く理由は答えられるのに、「やりがい」は答えられないんです。
「仕事」をして社会に貢献しているという認識が薄いからです。
仕事とは、簡単に言うと「人の役に立つことをして給料をもらうこと」です。
ただ、自分の行っている単純作業や受付業務が人の役に立つ仕事だということが、理解できていない。受付に立って、来られた人の言われた通りに受付をして、決められた通りの算定基準でお金を計算して会計する。すべてが機械的な事務作業となっているのが原因です。
その背景には、地域の患者さんや家族さんが居て、「役に立っている」ということがまるでわかっていないんだと思います。
医療事務は究極のサービス業
ただの事務員ではありません、究極の接遇(ホスピタリティ)を提供するのが医療事務だと思っています。
カシータやリッツカールトンのような、高級で質の高い接客をするわけではありません。
ではどんな接遇が必要か?
「患者さんの痛みや想いに寄り添った接客」をすることが医療事務に求められているホスピタリティですよね。
接客業と比べると、何倍も難しさはあります。
カシータやリッツに行くような人は、行く前から「幸せな気分」で行きますよね?
僕だって、そんな高級店に行けるのであれば数日前からニヤニヤしてますw
ですが、病院だとどうでしょう?
急患で来院される方、持病で苦しんでいる方、家族が入院している方、様々な人が来られます。
「幸せ」な気分で来院される方なんて居ません。(産婦人科は別ですが)
そんな方々に、少しでも居心地の良い時間を提供することが医療事務の仕事です。
何十人、時には何百人もの患者さんを対応します。その中から少しでも良い気持ちになってくれた人がいたら、幸せじゃないですか?
そしてその人が、元気になって思い出すんです。「あの病院の受付の子、すごく対応が良かったな~、俺も頑張ろう!」
これが僕が考えた僕なりのやりがいです。受付に立っていなくても、同じです。
やりがいは自分の中にしかない
仕事のやりがいはあくまでも自分で決めることです。
僕が部下に対して、「医療事務のやりがいは患者さんに感謝されることだろ!」と言ったところで、何も意味が無いんですね。そう、誰が言ったって、人の気持ちは変えられないんです。「わかりました!」って言っていても口だけですw結局は心の深層部分には全く響いていません。
仕事のやりがいは自分自身の中で認識してはじめてやりがいになります。
じゃあ、やりがいが「わからない」人はどうすればいいか?
自分の仕事の役割をもう一度考えることです。
病院が、医療を提供する事でどうなるか?一体誰の役に立っているのか?じゃあ私のしている仕事の役割はなんなのか?それでどんな役に立っているのか?
自分たちが提供しているサービスがどんな人に求められていて、またどんなサービスが必要なのか。
これは、投書箱などの患者さんの声などを分析するといいかもしれませんね。そして、自分で意識させるしかありません。
まとめ
医療事務は給料も安く、患者対応も大変な仕事です。どこかで自分なりのやりがいを見出さないと長続きせずに終わってしまいます。
「嫌だ」と言いながら長年続けている子もいますが、患者さん目線で考えると、そんな子に対応されたいですか?僕なら嫌です。
他人が何を行ってもその子のやりがい、仕事へのモチベーションを変えることはできません。
ですが、3つの条件がそろった時にやりがいを感じやすくなるそうですので、意識してみてもいいかもしれません。
ポイント
- 自分のやりたいこと
- 人の役に立つこと
- 自分のスキルを活かせること